コンピュータのセキュリティ対策では「パスワードを書いた紙をパソコンの周りに張り付けるな」が常識とされてきましたが、最近、僕はむしろ「張り付けた方が安全なんじゃないか」という突飛な考えに達しています。

最近の個人情報漏洩事件では、サーバに不正アクセスを行って会員データを大量に盗み出すということが頻繁に行われています。盗まれた個人情報にログイン情報としてのメールアドレスやパスワードが含まれていた場合、そのサイトのみならず、他のサイトでも悪用される可能性が高いのです。したがって、僕はこの様なログインIDとパスワードの組み合わせがブラックマーケットで"不都合なビッグデータ"として既に流通し始めていると思っています。

だから、個人個人の物理的なパスワード管理などは些末な問題とさえ思えてしまいます。

これまでも何度か問題提起してきましたが、ログインIDにメールアドレスを用いたり、任意の文字列を使用できるサイトは、個人が他のサイトで同じ形式で利用している可能性が高く、どこかで流出した場合に"合鍵"となって不正アクセスされてしまいます。
パスワードリスト攻撃について

これを防止するには、サイト独自かつ推測されにくいユーザIDをサーバから発行して、変更も出来ない仕様とすることです。さらにパスワードもサーバから発行して変更も出来ない仕様とするのが"合鍵"を利用されない最善の手段と言えます(定期的に強制的にパスワードを変えるとさらに安全ですが、ビジネスサイドからは不満が出るでしょう)。
セキュアなログインIDとは(加筆)
不正ログイン対策が急務です(さらに加筆)

ここで問題となるのがユーザにとってログインIDとパスワードを覚えるのがほとんど不可能ということでしょう。しかしセキュリティ対策の甘いサイトで漏洩した自分のログインIDとパスワードが他のサイトで不正に使用されるリスクと天秤にかけると、推測されにくいログイン情報をやむを得ずパソコンの周りに張り付けたほうが安全という結論に僕は達しました。

インターネットのどこかに潜むサイバーテロリストはあなたの机の周りを覗くことは出来ないですし、また万が一覗くことが出来ても"コスト面"で割に合わないでしょう。