以前、サーバの安全なお引越しでサーバを移設する際の手順について書きましたが、実際の作業でコンテンツ・アプリケーションやミドルウェアの動作確認を重点的に行うのは当然として、意外と見落としがちなチェックポイントがあるのでまとめてみました。

  1. cron設定
    運用関連の処理でバッチプログラムが淡々と仕事をしているかもしれませんので、/etc/cron.*や/var/spool/cronフォルダに入っているユーザアカウントの設定ファイルを確認してください。ここで実行されているスクリプトなども移設が必要な場合があります。なおユーザアカウントを削除するとcron設定も消えてしまうので注意が必要です。

  2. ホームディレクトリは安易に消さない
    サーバ移設の機会に、不要なユーザアカウントを整理することがあります。しかし安易にユーザアカウントをホームディレクトリごと消去してしまうと、旧担当者が管理していた重要なファイルを消してしまう可能性があります。

  3. セキュリティ設定の引き継ぎ
    参考: VPSを借りたら真っ先にやるべきセキュリティ対策
    参考: VPSのファイアウォール設定について(iptablesの例)

  4. ログローテーション設定
    /etc/logrotate.d
    ログの記録方式をカスタマイズしている可能性があります。

  5. メールエイリアス
    /etc/aliases
    root宛てのメールなどを管理者宛てに転送設定している場合があります。

  6. ドメイン管理者情報の更新
    サーバ管理とともにドメイン管理も業者に一元管理させていた場合、管理者情報等の変更や管理アカウント権限の移譲を行っていないと、有効期限通知メールなどが届かずに、最悪失効してWebサービスが停止してしまう可能性があります。またネームサーバについても管理責任の帰属先を確認しておいた方が良いです。

  7. プログラムからの通知メール等
    お問合せフォームや各種ユーザ操作の動作確認などで、運用担当者宛てにメールが通知される仕様になっているシステムが良くあります。送信の有無と宛先が適切か確認しましょう。ログから確認する場合は/var/log/maillogが参考になります。