私たちが日常的に交わしている言葉の中に語源が魚釣りにまつわるものが意外と多くあります。また常用されることは少ないですが、魚釣りにまつわる諺(ことわざ)なども日常の出来事を暗示してものが多くあります。これらは何気なく使用されていますが、実際の魚釣りを体験しているのと、いないのでは文脈の伝わりが段違いになると思います。ですから魚釣りをできるだけ若いうちに体験しておくことを僕はおススメします。

【ポイント】
魚は海や川の中を均一に泳いでいるわけではなく、餌が豊富だったり外敵に襲われにくい場所や水深に偏って生息しています。このような特定の場所を見つけるには日々の情報収集や創意工夫、そして場合によっては餌付けや物量作戦が必要となります。ビジネスにおいてはポイントを見つけたり活性化するのがマーケティング活動と言えますね。

【一本釣り】
カツオの一本釣りが有名ですが、一人の漁師が一本の竿と針で魚を一匹ずつ釣り上げるという潔い釣りです。余計な試みをせず、狙いを明確に定めて集中して狙うという戦術です。

【海老で鯛を釣る】
これは少ない投資で大きな見返りを得ることの例えですね。たまに安物の仕掛けでいい加減に糸を垂れていたら思いがない大物や高級魚が釣れるこがあります。仕事でたなぼた的な成果が出ることもたまにありますね。

【こませ(撒き餌)】
ポイントを狙うのではなく、集魚効果の高い細かな餌を自分の釣りやすい場所にばら撒いて、おびき寄せられた魚を集中的に釣り上げる能動的な方式です。チラシや試食やクーポンなどの一般的な広告手法ですね。

【ごぼう抜き】
この語源は魚釣り用語ではなく、実際のごぼうを収穫する際に一か所を引っ張ると一気に全体が姿を現す様をとらえたものだと思いますが、魚釣りでもよく使われます。通常魚がかかったら取り逃がさないように慎重に竿を操って糸を手繰り寄せ、大物であれば最終的に網などを用いて取り込みますが、躊躇せず一気に竿の弾力と糸の強度を頼りに魚を水中から引っ張り上げる行為です。

【逃がした魚は大きい】
失ったチャンスは大き目に見えるものです。また「あと少しのところで・・・」という言い訳をしてしまうのはオトコの性ですね。

【見える魚は釣れない】
釣り場の透明度が高いと泳いでいる魚が見えることがあります。しかし不思議なことに、そこに仕掛けを投げても魚に見向きもされず釣れないことがむしろ多いのです。これは透明度が高いゆえに相手(魚)からも釣り人や敵の様子が良く見えて警戒している状況にあるのです。

--2014.5.22加筆

【スレる】
エサをたくさん与えられてお腹がいっぱいになったり、ルアー(疑似餌)がひっきりなしに投げ込まれるので興味を失ったりエサじゃないことがばれて簡単には釣れなくなってしまった状態です。こんな時はあきらめて釣り場をしばらく休めるか、違ったエサや仕掛けで魚の興味を引く必要があります。