僕はかつて、21世紀になったとたん世界規模でコンピュータシステムが誤作動して大きな社会問題が発生すると予想された「2000年問題」について、当時プログラマの立場として複雑な感慨を抱いたんですよ。

「システムって以外と長持ちするんだな…」
「あの時組んだロジックは99年までしか想定してなかったよな…」
「他にも社会インフラで同様のバグがあったら大変なことに…」
こんな不安があったので、実は食料品の買いだめを行っていたりした。

だから「どうせ数年の寿命だろ」などとたかをくくり、想像力に欠けるシステム設計はしちゃいけないって事を自ら戒める意味も込めて、要件を"ただ"実現するシステムエンジニアではなく、様々な将来性を考慮に入れたアーキテクチャを創造する"アーキテクト"と自称することにしたんだった。