エンジニアリングの基本には安全率という考えがあります。
例えば定員10人のエレベーターでも実際にワイヤーが耐えられる人数は10倍の100人分だったりします。この場合の安全率は10ということになります。よく観察するとわかりますが負荷がかかっているワイヤーは複数系統あるように見え、そのどれかが切れても箱が落下することが無いような設計になっている様です。

ちなみに高速道路の最高速度が100kmにも関わらず、実質200km以上も速度が出せる車が開発されて売られています。これは若者の冒険心を煽るわけでも警察の検挙率を上げるためでは全くなく、80kmや100kmの速度で何時間でも安全に余裕を持って走行できる為の設計思想に基づいています。

だからエンジニアリングの塊である発電所も同様で、発電能力が足りている足りていないの議論にプラスして安全率という観点を忘れてはいけないと思う。

ただ安全率すなわち"保険"は、それぞれの立場や考えにも左右されるしマージンを取りすぎてもいけないし少なすぎてもいけないという難しさがあります。知識や経験や権限によってマージンをたくさん取る人もいれば逆に取らない人もいますからね

wikipedia「安全率」