一般的に電気は貯めるのが難しいと言われていますが、人によっては「電力会社や体制側の欺瞞だ」みたいに思っている方も少なくはないでしょう。実際のところ、車のバッテリーや様々な電化製品に電池やエネループなどの蓄電製品が使われていますから疑問がわきます。

我が家の電力使用量の例を上げると、ピークと思われる昨年8月の電力使用量は約400kWhでした。これは1000wのドライヤーを400時間使用した容量になります。

この電力量を元に現実的に「貯められる」のか試算してみました。

我がIT業界で有名なAPC社※のUPS(無停電電源装置)Smart-UPSシリーズは、最大容量の3000VAというモデルにおいて一台で1000wを26分間供給することが可能です。UPSは鉛バッテリーの塊のようなものです。このUPSが何台あれば我が家のピーク月電力すべてを賄えるか計算してみました。

400kWh=400000Wh
400000Wh÷1000W=400時間
26分=0.433時間
400÷0.433≒924=924台
このように容量だけで試算すると、我が家一ヶ月分の生活に必要なSmart-UPSは924台となります。

実際にはソーラーパネルなどの設備から充電しながら運用となりますので、蓄電設備は悪天候や何らかの停電時の"バッファ"としての容量があれば十分で、一週間分とすると231台となります。

ちなみに試算に用いたSmart-UPS3000VAモデルの重量は一台63kg、価格は30万円前後のようです。

電気を貯められないことは無いですが、スペースとコスト的にかなり非現実的だということが改めてわかりますね。

http://www.apc.com/site/apc/