コンピュータの時刻をNTPサーバに問い合わせて自動調整する仕組みは、サーバを初めPC・携帯等の機器でも一般的になってきました。

ちなみにサーバやPCのクロック(時刻)はハードクロックとシステムクロックの二種類ありますが、NTPサーバで自動同期を行ってるのはシステムクロックとなります。しかしこのシステムクロックだけを同期していても不十分な場合があります。

その理由は、万が一サーバに異常が発生して再起動が必要になった場合、OSはブート時に"ハードクロック"を参照してシステムクロックを設定します。この際にハードクロックの時刻がずれていた場合、一時的ですがシステムの時刻が大幅にずれてしまう可能性があります。

システムの時刻ずれがWebサービスやデータベースに及ぼす影響を想像してみてください。

オークションサイトではどうでしょうか?
メールシステムはどうでしょうか?
バッチ処理システムはどうでしょうか?
放送システムはどうでしょうか?
FAシステムはどうでしょうか?
プラント制御システムはどうでしょうか?
勤怠管理システムはどうでしょうか?

いずれも想像したくないデータの不整合障害に発展します。

したがって、サーバ再起動と同時に正確な時刻が設定されるようにするには、NTPでシステムクロックを同期した後、ハードクロックへも常に正確な時刻を設定しておく必要があります。こちらは定期的にcronで実行を行えばよいでしょう。

ちなみにハードクロックを確認・設定するコマンドは以下のようなものがあります。
/sbin/hwclock
/sbin/clock

個人的には「時刻がずれたコンピュータはコンピュータではない」と思っています。そのことにピンとこない人は IT産業には向いていないんじゃないかとさえ思います。

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